スマホ・携帯電話の電波

比吸収率(SAR: Specific Absorption Rate)および電力密度(Power Density)とは

比吸収率(SAR: Specific Absorption Rate)とは

比吸収率(SAR:Specific Absorption Rate)とは、人体が電波にさらされることによって単位質量の組織に単位時間に吸収されるエネルギー量のことです。

スマートフォン・携帯電話などの人体のそばで使用する小型無線機のうち、100kHz以上6GHz以下の周波数帯を利用するものについての基準には、局所SARが用いられ、この基準値が規定されています。

局所SARとは?

局所SARとは、人体が電波にさらされることによって、任意の10g当たりの組織に6分間に吸収されるエネルギー量の時間平均のことで、W/kgの単位で表されます。

局所SARについての基準値は?

スマートフォン・携帯電話端末を頭部に近接して使用する場合※1及び、頭部以外の人体に近接して使用する場合※2、無線設備規則によって、電波防護指針に基づく局所SARの基準値(2W/kg、四肢では4W/kg)を満たすことが義務づけられています。なお、PHS端末は、その設計上、局所SARが2W/kgを超えることはないので、この義務づけの対象になっていません。

この基準値は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が策定した国際的なガイドラインとも等しいものです。このガイドラインは長年の科学的研究に基づいて十分な安全率を考慮した結果、作成されています。
※1 平成14年6月以降義務付け  ※2 平成26年4月以降義務付け

電力密度(Power Density)とは

電力密度(Power Density)とは、電波伝搬の方向に垂直な単位面積当たりの通過電力のことです。

電波のエネルギーは、6GHzを境界として、体内には浸透せずに体表面(皮膚組織)で吸収される特性を持っているため、安全性を担保する基準値が異なります。

スマートフォン・携帯電話などの人体のそばで使用する小型無線機のうち、6GHzを超える周波数帯を利用するものについての基準には、入射電力密度が用いられ、この基準値が規定されています。

入射電力密度とは?

入射電力密度とは、人体が電波にさらされることによって、人体(両手を除く)の任意の体表面の単位面積あたりに吸収されるエネルギー量のことで、mW/cm2(またはW/m2)の単位で表されます。

入射電力密度についての基準値は?

入射電力密度についての基準値は以下の通りです。この基準値は、ICNIRPが2020年3月に発表した無線周波(radio frequency:RF、100kHzから300GHzまで)の領域の電磁界についてのガイドライン改定版の「基本制限」と同じ値になっています。

(1) 6GHzを超え30GHz以下の周波数帯では、人体(両手を除く)の任意の体表面積4cm2において、平均時間6分間に通過するエネルギー量が2mW/cm2以下(適用が除外される無線設備:平均電力8mW以下の無線設備)

(2) 30GHzを超え300GHz以下の周波数帯では、人体(両手を除く)の任意の体表面積1cm2において、平均時間6分間に通過するエネルギー量が2mW/cm2以下(適用が除外される無線設備:平均電力2mW以下の無線設備)




*総務省「電波防護のための基準の制度化(関連法令)」

https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/medical/system/ より引用

局所SARおよび入射電力密度の測定方法は?

局所SARおよび入射電力密度の測定方法は、総務省告示によって規定されています。 この測定方法は、欧米諸国も採用している国際標準の測定方法と同様で、ファントムと呼ばれる人体模型を用いて測定します。また、測定する際にはスマートフォン・携帯電話の送信出力を最大にしますので、実際に通話している状態では通常SARおよび電力密度はより小さい値となります。これは、スマートフォン・携帯電話は必要最小限の送信出力で基地局と通信するためです。

局所SARおよび入射電力密度は小さいほうが良いの?

局所SARおよび入射電力密度の基準値には、十分な安全率が考慮されています。スマートフォン・携帯電話の機種の違いでSARおよび入射電力密度の値は異なりますが、上述の基準値以下であれば、人の健康に影響を与えないように決められた基準値を遵守していることにかわりはなく、数値の大小を問題とする必要はありません。