電波に関するギモンを解決

5Gは従来の3G・4Gよりも危険?

第5世代移動通信システム(5G)では、従来の第3世代(3G)や第4世代(4G)までに用いられていた周波数帯に加えて、より高い周波数帯(28GHz帯等)が用いられます。

世界保健機関(WHO)は2020年2月、「5Gと健康」に関する質問と回答(Q&A)をウェブサイトに掲載しました。この中で、「5Gからの潜在的健康影響は何ですか?」という問いに対しては、次のように回答しています。「これまでに膨大な研究が実施されていますが、健康への悪影響は因果関係としてワイヤレス技術へのばく露と結び付けられていません。健康に関連した結論は、無線周波数全体にわたって実施されてきた研究から導き出されていますが、これまでのところ、5Gに用いられる周波数で実施された研究は少数です。無線周波電磁界と人体との相互作用のメカニズムは、主に組織の加熱です。現在の技術から生じる無線周波ばく露レベルは、人体に無視し得る程度の温度上昇しか生じません。周波数が高いほど、身体組織への浸透度は浅くなり、エネルギー吸収は身体の表面(皮膚及び眼)に限定されます。ばく露全体が国際的なガイドライン以下に留まる限り、公衆衛生に対する結果が生じるとは考えられません。」*1

国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は2020年3月、当該周波数帯を含む無線周波(radiofrequency: RF、100kHzから300GHzまで)の領域の電磁界についてのガイドライン改定版を発表しました。ICNIRPはこの改定版の際の報道発表で次のように述べています。「我々は、一部のコミュニティで5Gの安全性が懸念されていることを承知しており、この改定版が人々に安心感を与えることを期待しています。新ガイドラインは、特に6GHz超のより高い周波数範囲で、より良い、更に詳細なばく露ガイダンスを提示するものであり、このことは、そうした高い周波数を用いる5G及び将来の技術にとって重要です。人々にとって覚えておくべき最も重要なことは、この新ガイドラインを遵守している限り、5G技術が害を生じることはあり得ない、ということです。」*2

日本では総務省が、最新の研究動向等を踏まえ、平成30年に6GHzを超える高周波領域について、電波防護指針を改定しました*3。改定後の電波防護指針は、ICNIRPのRFガイドライン改定版と同等の内容になっています。

オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)は2019年11月、5G移動通信ネットワークの便益と課題についての同国議会からの照会に対する回答を提出しました。この中でARPANSAは次のように述べています。「ARPANSAやWHOを含む世界中の保健当局は、通信技術から生じるかも知れない健康影響についての科学的証拠を調べてきました。現在の研究は、移動通信に用いられている電波からの健康影響についての確立された証拠はない、ということを示しています。これには、導入予定の5Gネットワークも含まれます。5Gは安全であるというのが、ARPANSAの評価です。」*4

また、米国における携帯電話についての規制責任を連邦通信委員会(FCC)と共有している食品医薬品局(FDA)は2020年2月、「携帯電話」に関連するウェブサイトを更新しました。この中でFDAは次のように述べています。「5G携帯電話はFCCの現行のばく露ガイドライン(300kHz-100GHz)がカバーする周波数を利用しており、また、これまでの科学的証拠全体に基づいて得られた結論はこれらの周波数をカバーしていることが知られています。」*5

一般社団法人 電波産業会 電磁環境委員会は、5Gを含むスマートフォン・携帯電話利用による電波ばく露と健康への悪影響とを結び付ける科学的根拠は無いと判断しており、全ての人々に引き続き安心して携帯電話等をご利用いただけるものと考えています。


*1 World Health Organization (WHO). Q&A: 5G mobile networks and health. https://www.who.int/news-room/q-a-detail/5g-mobile-networks-and-health

*2 International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection (ICNIRP). Guidelines for limiting exposure to electromagnetic fields (100kHz to 300GHz). https://www.icnirp.org

*3 総務省 電波利用ホームページ「電波防護のための基準の制度化(関係法令) https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/medical/system/

*4 Australian Radiation Protection and Nuclear Safety Agency (ARPANSA), 2019. Submission to the House of Representatives Standing Committee on Communications and the Arts Inquiry into 5G in Australia. https://www.arpansa.gov.au/news/arpansa-contributes-5g-inquiry

*5 U.S. Food and Drug Administration. Cell Phones. https://www.fda.gov/radiation-emitting-products/home-business-and-entertainment-products/cell-phones