5G電波の安全性に関する国際機関の見解は?

世界保健機関(WHO)は2020年2月、以下をウェブサイトに掲載しました。

「これまでに膨大な研究が実施されていますが、健康への悪影響は因果関係としてワイヤレス技術へのばく露と結び付けられていません。健康に関連した結論は、無線周波数全体にわたって実施されてきた研究から導き出されていますが、これまでのところ、5Gに用いられる周波数で実施された研究は少数です。無線周波電磁界と人体との相互作用のメカニズムは、主に組織の加熱です。現在の技術から生じる無線周波ばく露レベルは、人体に無視し得る程度の温度上昇しか生じません。周波数が高いほど、身体組織への浸透度は浅くなり、エネルギー吸収は身体の表面(皮膚及び眼)に限定されます。ばく露全体が国際的なガイドライン以下に留まる限り、公衆衛生に対する結果が生じるとは考えられません。」*1

その他にも、以下の国際的な組織がコメントを発しています。


・国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)

「新ガイドラインは、特に6GHz超のより高い周波数範囲で、より良い、更に詳細なばく露ガイダンスを提示するものであり、このことは、そうした高い周波数を用いる5G及び将来の技術にとって重要です。人々にとって覚えておくべき最も重要なことは、この新ガイドラインを遵守している限り、5G技術が害を生じることはあり得ない、ということです。」(2020年3月)*2


・オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)

「ARPANSAやWHOを含む世界中の保健当局は、通信技術から生じるかも知れない健康影響についての科学的証拠を調べてきました。現在の研究は、移動通信に用いられている電波からの健康影響についての確立された証拠はない、ということを示しています。これには、導入予定の5Gネットワークも含まれます。5Gは安全であるというのが、ARPANSAの評価です。」(2019年11月)*3


・米国食品医薬品局(FDA)

「5G携帯電話はFCCの現行のばく露ガイドライン(300kHz-100GHz)がカバーする周波数を利用しており、また、これまでの科学的証拠全体に基づいて得られた結論はこれらの周波数をカバーしていることが知られています。」(2020年2月)*4



*1 World Health Organization (WHO). Q&A: 5G mobile networks and health. 
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/5g-mobile-networks-and-health

*2 International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection (ICNIRP). Guidelines for limiting exposure to electromagnetic fields (100kHz to 300GHz). https://www.icnirp.org

*3 Australian Radiation Protection and Nuclear Safety Agency (ARPANSA), 2019. Submission to the House of Representatives Standing Committee on Communications and the Arts Inquiry into 5G in Australia. https://www.arpansa.gov.au/news/arpansa-contributes-5g-inquiry

*4 U.S. Food and Drug Administration. Cell Phones. https://www.fda.gov/radiation-emitting-products/home-business-and-entertainment-products/cell-phones