【2002-2】近傍電磁界ばく露による幼少ラットの脳機能に及ぼす影響研究 ─1.5 GHz in vivoばく露実験における幼若ラットの頭部局所ばく露の実現─
研究目的
電波産業会では携帯電話の電波と脳腫瘍の関連性について動物実験により検討を行うことを計画しています。この動物実験においては幼若ラットを使用することを予定していますが、これまでの電波ばく露装置ではマウスなどの小動物に電波をばく露した際、マウス全体に電波がばく露されるため、携帯電話の人体に対する局所ばく露を模擬できないという問題点がありました。
本研究では携帯電話の人体に対する局所ばく露を幼若ラット実験において模擬するため、幼若ラットの頭部のみ所定の局所ばく露が可能なばく露装置の開発を目的としました。
ばく露装置設計目標
本研究で開発するばく露装置の設計目標は下記の通りとしました。
マウス脳平均SAR値:2 W/kg
マウス全身平均SAR:0.4 W/kg
局所ばく露比:5倍以上
研究結果
上記設計目標を達成するため、磁性シートをラット拘束ホルダの頭部相当部位に巻きつけることで、全身平均SARを生体閾値以下に押さえつつ、脳組織に対して全身平均SARの7倍の局所ばく露比を実現できました。
本研究から派生した論文
Wang J, Fujiwara O. Realizing highly localized exposure in small animal with absorbing material covered holder to test biological effects of 1.5 GHz cellular telephones. IEICE Trans Commun. 2003;E86-B(5):1660-5.