【2020-1】国内における電波リスク認知調査3

研究目的

5Gで利用される電波を含め、一般の方の電波の健康影響に対する現時点での認識を明らかにするために、2017年度、2012年度の調査と同様の調査を実施しました。

研究方法

15歳以上の10代を調査対象に含め、10代300名と20代以上2,000名から回答を得ました。

研究結果

2017年と比較して、2020年度の調査結果は以下の通りでした。

①スマートフォンの利用率が非常に高い(50代以下では9割強、60~70代以上でも8割)。

②携帯・スマートフォンの有用性評価および依存度については、若い世代ほど高い傾向はこれまでと変わらず、また、他の年代でも非常に大きく高まっている。

③有用性評価や依存度とリスク認知の関連は明確にはみられなかった。

④電波にリスクがあると考える人や電波による健康影響に関心のある人の割合はやや減少している。

⑤5Gで利用されるミリ波について、従来携帯・スマートフォンで利用されてきている電波よりもリスクがあると考える人の割合は、1割ほど高い。その一方、電波による健康影響への関心は 2017年度、2012年度に比べてやや下がっている。

⑥健康影響の中で比較的可能性が高いと考えられているのは、頭痛や不快感、妊婦や子どもへの影響であり、2017年度、2012年度に比べて大きな変化はみられなかった。5Gで利用されるミリ波については、それらの可能性があるとする割合は従来の電波に比べて1割ほど高かった。この傾向は端末より基地局に対してより明確に示され、年代別では40代以上で特に顕著であった。

⑦2017年度に比べると、電波について特に情報は得ていないとする人の割合が増加した。

⑧携帯・スマートフォンの利用に際して、2017年度に比べ、何も対策をしていない人の割合は増加している。

⑨基地局に対しては、2017年度、2012年度に比べて、公平性や景観の問題を重視する人の割合はやや減少しているが、基地局に対する不安や恐怖にはあまり変化はみられなかった。

⑩電波のリスク認知は、男性に比べて女性で有意に高く、小学校6年生以下の子どもがいる群ではいない群に比べて有意に高かった。